こんにちは!司法書士の髙山です!自転車に乗っている最中に強烈な便意に襲われて、公園のトイレに駆け込み事なきを得ました😓さてさて本題に。最近、私の事務所に寄せられる相談の中でとても多いのが「契約書や利用規約に『返金不可』と書かれていたが、本当に返金を求められないのか?」というご質問です。副業詐欺や情報商材詐欺の被害者のなかには、この「返金不可」の一文を見て泣き寝入りしてしまっている方が多くいます。
しかし、消費者契約法という法律をご存じでしょうか。これは消費者と事業者との間の力関係の不均衡を是正するために設けられた法律で、事業者に不当な契約条項を入れられてしまった場合でも消費者を守る強力な武器となります。実際に「返金不可」と書かれていても、法律上は無効とされるケースが多く存在するのです。
この記事では、「返金不可条項」がどのように契約に盛り込まれているのか、なぜ無効になり得るのか、そして実際に返金を目指すための具体的なステップを解説します。私の拙い文章に最後までお付き合いいただけるとうれしいです。
なぜ「返金不可」と書かれるのか
副業や情報商材ビジネスを行う業者が、契約書や利用規約に「返金不可」と書き込む理由はシンプルです。消費者に「お金を取り戻せないのだ」と思わせ、心理的に諦めさせるためです。実際、被害者の多くは「契約書に書いてあるから仕方ない」と考えてしまい、返金を諦めてしまいます。
しかし、事業者が一方的に決めた契約条項が、必ずしも法律的に有効だとは限りません。特に消費者契約法では、消費者にとって不当な条項は「無効」と明確に定められています。つまり、契約書に「返金不可」と書かれていても、そのまま従わなくてよい場合があるのです。
消費者契約法とは?
消費者契約法は、消費者が事業者と契約を結ぶ際に不当に不利益を受けないようにするための法律です。1990年代以降、訪問販売や通信販売などでトラブルが多発したことを背景に制定されました。大きな特徴は以下の通りです。
- 消費者に不利すぎる契約条項を「無効」とすることができる
- 虚偽説明や重要事項の不告知による契約を「取り消せる」
- 事業者と消費者の力関係の不均衡を是正する役割を持つ
つまり、事業者が「返金不可」と書いたとしても、消費者契約法のルールに反する場合は無効にできるのです。
「返金不可」が無効になる代表的なケース
では、実際に「返金不可」と書かれていても返金を求められる典型的なケースを紹介します。
ケース1:虚偽説明や誇大広告があった場合
「必ず稼げる」、「成功率100%」といった説明を受けて契約した場合、それは消費者契約法4条に違反する虚偽説明や不告知にあたります。この場合、契約を取り消すことが可能です。契約自体を取り消せば、「返金不可」という条項も当然に無効となります。
ケース2:不当な条項(消費者契約法9条違反)の場合
「いかなる場合でも返金不可」、「途中解約の場合も残額全額支払う」といった条項は、消費者に一方的に不利益を課すものであり、消費者契約法9条により無効とされます。つまり契約書に書かれていたとしても、その条項は効力を持ちません。
ケース3:実態が伴わないサービスの場合
副業のサポートがほとんどなく、教材も価値が乏しい場合、「対価を得ていないのに代金だけ取られた」として民法703条の不当利得返還請求が認められるケースがあります。この場合、返金不可条項を盾にされても、法律上は返金請求が可能です。
実際の返金成功事例
例えば、ある相談者は副業教材を30万円で購入しましたが、契約書には「返金不可」と明記されていました。しかし、業者が「誰でも稼げる」と虚偽の説明を行っていたことが証拠として残っていたため、消費者契約法4条に基づき交渉をし7割の返金に成功しました。
また別のケースでは、契約書に「途中解約でも残額全額支払い」との条項がありましたが、消費者契約法9条違反として無効と主張したところ、最終的に半額が返還されました。
返金を求めるための具体的ステップ
では実際に返金を目指すためにはどのようなステップを踏むべきでしょうか。
- 証拠を集める:契約書、広告、LINEやメールのやりとり、振込明細を保存する。
- 内容証明郵便を送る:消費者契約法や不当利得返還を根拠に返金請求を行う。
- クレジットカード会社に申立て:支払停止の抗弁を利用して返金を求める。
- 専門家に相談:司法書士や弁護士に依頼することで交渉力が格段に高まる。
被害に遭わないためのチェックポイント
今後同じような被害に遭わないために、契約前に以下を確認してください。
- 「返金不可」と書かれている契約は要注意
- 「必ず稼げる」、「誰でも成功」といった甘い言葉は疑う
- 会社情報が曖昧、所在地が不明な業者は避ける
- 契約を急がせる場合は詐欺の可能性が高い
まとめ:「返金不可」に騙されないために
契約書や規約に「返金不可」と書かれていても、消費者契約法や民法の規定を使えば覆せるケースは数多くあります。泣き寝入りする必要はありません。重要なのは証拠を残し、法律を根拠に冷静に対応することです。
もしあなたが今まさに「返金不可」と言われて悩んでいるなら、早めに専門家に相談してください。法律を正しく使えば、返金は決して不可能ではありません。また副業詐欺などの被害にあった場合は警察に相談するということも考えられます。詳しくはこちらをご参照ください。副業詐欺を警察に相談する/メリットと相談方法
今回はこんなところでほなっ!皆様も自転車の走行中の便意にはお気をつけくださいませ。
✅ LINEで今すぐ相談(24時間受付)
👉 LINEで相談する
📞 お電話でのご相談(平日9時~18時)
👉 03-6914-3377 に電話する
