マッチングアプリで“副業・投資”話に乗ったら要注意/被害にあわないためのチェックリスト

こんにちは!司法書士の髙山です!健康のために最近は自転車で爆走せずに歩くようにしているのですが、素晴らしいハトに華麗に糞を浴びせられそうになりました😞さて気を取り直して本題に。「マッチングアプリで出会った人に投資や副業を勧められた」、「一緒に稼ごうと言われて送金したのに連絡が取れない」──こうした相談が近年、急増しています。恋愛感情や信頼関係を利用して金銭を奪うこの手口は、「恋愛投資詐欺(ロマンス詐欺)」と呼ばれるもので、SNSやアプリの普及とともに被害が拡大しています。今回は、司法書士として多くの返金交渉に携わってきた経験から、マッチングアプリで出会った相手に投資や副業を勧められたときに注意すべきポイント、詐欺の見抜き方、そして被害に遭った場合の返金の道筋を、実例を交えてわかりやすく解説します。

マッチングアプリで急増する「投資・副業」詐欺の実態

かつてのロマンス詐欺は「海外駐在員」、「軍人」、「医師」などを名乗る人物が多く、海外送金や医療費などを名目にお金をだまし取るものでした。しかし近年では、より日常的な形で副業や投資を絡める新しいタイプが増えています。

典型的な流れはこうです。アプリで出会い、数日〜数週間にわたりメッセージで信頼関係を築いた後、「自分は投資で安定収入を得ている」、「あなたにも教えてあげたい」といった形で誘いが始まります。ここで紹介されるのは、暗号資産・FX・AI投資・副業代行など、多くが実態のないものです。

最初は少額の入金で利益が出たように見せかけ、さらに大きな金額を誘導するのが特徴です。こうして数十万円から数百万円を失ってから連絡が途絶える──そんな被害が全国で報告されています。

詐欺師が使う巧妙な心理テクニック

マッチングアプリを利用した詐欺の特徴は、相手が「恋愛」と「投資」をセットで仕掛けてくる点にあります。詐欺師は“恋愛感情を持つ相手からの提案”に人が弱いことを熟知しています。

まずは丁寧なコミュニケーションで信頼を築き、次に「あなたにだけ特別に教える」、「自分も最初は不安だったけど稼げた」といった共感ワードで距離を縮めます。そして、投資や副業を「2人の未来のため」と正当化してくるのです。

さらに、利益画面をスクリーンショットで見せたり、成功者グループに招待して仲間意識を演出したりするのもよくある手口です。実際には全てが偽造サイトや操作された取引画面であり、出金は不可能なケースがほとんどです。

実際にあった被害例

30代女性がマッチングアプリで出会った男性に、「自分はAIを使った投資で毎月20万円の利益を出している」と誘われ、50万円を入金。最初は「利益が出た」と報告されましたが、出金しようとすると「税金を先に払えば引き出せる」と言われ、さらに30万円を送金。最終的に連絡が途絶え、相手のアカウントも削除されていました。

また、40代男性が「副業で収益を自動化できるツールがある」と女性から勧められ、クレジットカードで80万円を支払ったケースでは、運営会社が実在せず、紹介した女性も実は同グループの一員だったことが発覚しました。

このように、マッチングアプリでの投資勧誘は、恋愛関係を装った“組織的詐欺”の一部として行われていることが多いのです。

こんなサインが出たら要注意!詐欺を見抜く5つのチェックポイント

「恋愛+投資」の関係において、次のようなサインが見えたら、危険信号です。早めに距離を取ることで被害を防げます。

  • 出会って間もないのに「一緒に稼ごう」、「投資を教える」と提案してくる
  • 投資サイトやアプリを「公式」と称して個別に案内してくる
  • 利益が出たように見せかけたスクリーンショットを送ってくる
  • 「税金」や「手数料」などを理由に追加送金を求める
  • 出金しようとすると「システムメンテナンス」、「確認中」と言って引き延ばす

これらの兆候が見えたら、詐欺の可能性が極めて高いと考えてください。

被害に遭ったときの初動対応

もしすでに送金してしまった場合でも、すぐに行動すれば返金できる可能性があります。最初にすべきことは「証拠を残すこと」です。LINEやアプリ内のやり取り、送金記録、投資サイトのURL、入金先口座などをスクリーンショットで保存してください。

その上で、クレジットカードや銀行で支払いをした場合は、「支払停止の抗弁」や「不正送金の調査依頼」を速やかに行います。暗号資産の場合は追跡が難しいですが、ウォレットアドレスや送金IDの記録も有効です。

また、警察(サイバー犯罪対策課)や消費生活センターにも通報しましょう。すぐに返金につながらなくても、被害が複数確認されれば刑事事件として動く可能性が高まります。警察への相談に関してはこちらの記事もご参照ください。副業詐欺を警察に相談する/メリットと相談方法

返金請求のためにできる法的アプローチ

マッチングアプリ経由の投資詐欺は、民法上「詐欺による意思表示の取消」(民法96条)や「不法行為による損害賠償請求」(民法709条)として返金を求めることが可能です。

さらに、販売業者が存在する場合には、特定商取引法や消費者契約法の違反を根拠に返金請求を行います。たとえば、虚偽の説明をしたり、リスクを隠して契約を迫ったりした場合、「断定的判断の提供」や「不実告知」に該当します。

返金請求を行う際は、「内容証明郵便」で返金を求めるなど交渉します。司法書士であれば、140万円以下の金額であれば代理交渉が可能です。

返金交渉でやってはいけない行動

怒りのあまり、SNSやアプリの口コミで「詐欺師です」、「この人に騙されました」と投稿する人もいますが、これは避けましょう。相手から名誉毀損を主張される可能性があり、返金交渉がこじれるリスクがあります。

また、「返金代行業者」に頼むのも危険です。最近では、「被害金を取り戻す」とうたいながら、さらに高額な手数料を取って逃げる二次被害も増えています。法的に代理交渉ができるのは、司法書士または弁護士だけです。

感情的な投稿や、無資格業者への依頼は絶対に避け、法的に正しいルートを選びましょう。

実際に返金が成功した事例

20代女性がマッチングアプリで知り合った男性から暗号資産投資を勧められ、80万円を送金。相手に連絡が取れなくなった後、LINEのやり取りや送金記録を証拠として整理し、司法書士を通じて内容証明を送付。結果的に業者側が訴訟を避ける形で50万円を返金しました。

また、30代男性が「副業アプリ運用」を勧められた事例では、販売ページに記載のない「返金不可」条項を指摘し、特定商取引法違反を主張。全額返金が実現しました。冷静な証拠整理と法的根拠の明示が、返金成功の鍵です。

まとめ|恋愛×投資の話が出たら一度立ち止まろう

マッチングアプリでの出会いは、新しい人との関係を築くチャンスでもあります。しかし、「副業」、「投資」、「簡単に稼げる」といった話が出た瞬間に、一度冷静になってください。恋愛感情が絡むと判断が鈍りがちですが、そこを狙ってくるのが詐欺師たちです。

もしすでに被害に遭ってしまっても、諦める必要はありません。証拠を整理し、法的に返金を求めることで取り戻せる可能性は十分にあります。

髙山司法書士事務所では、相談料と着手金は完全に無料です。成功報酬のみで事務手数料もいただいていないので、返金させることができなかった場合、費用はかかりません。マッチングアプリや投資、副業に絡む被害でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

今回はこんなところでほなっ!皆様もハトの糞にはお気をつけくださいませ。

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