こんにちは!司法書士の髙山です!ワタシの毎度の戯けたプチ講話によりアクセス数が下がっていたのかと危惧していましたが、復活してきたので胸をなでおろしてます😮💨安心したところで本題へ。ここのところ、私の事務所には「学生でも簡単」、「スマホ1台」、「今だけ無料」といった魅力的なフレーズの広告から始まり、LINE→Zoom→高額プランの流れで課金させられたという学生さんからの相談が絶えません。学費や生活費でお金に敏感にならざるを得ない時期、少しでも負担を軽くしたいという気持ちにつけ込まれ、アルバイト代を失うどころか借金までしてしまったという例も珍しくないのが実情です。
今回は、学生を狙う副業詐欺の実体を丁寧に分解し、実際の相談事例、返金を目指すための方法、すぐ実践できる回復手順、家族に知られずに進めたい場合の運用、そして被害を未然に防ぐチェックポイントをお届けします。もし今まさに支払いを迫られているなら、まずは深呼吸して、こちらをお読みいただければと思います
学生が狙われやすい理由と副業詐欺の特徴
学生が標的になりやすい第一の理由は、収入構造が脆弱であることです。アルバイト代・仕送り・といった限られたキャッシュフローの中で「少しでも効率よく増やしたい」という欲求が強く、そこに「未経験歓迎」、「サークル活動と両立」、「スマホで1日30分」といった“安心ワード”が差し込まれると、心理的なハードルが一気に下がります。第二に、契約・決済・個人情報保護の知識ギャップが大きいこと。特定商取引法や消費者契約法の概念、クレジットの支払停止の抗弁といった“自分を守る知識”をあまり知らないため、違和感を覚えても具体的にどこが問題か言語化できず、相手のペースで意思決定させられがちです。第三に、SNS・動画プラットフォームの利用時間が長く、広告接触機会が多い点。派手な実績画像や“先輩の成功談”のような演出が、同世代の価値観に刺さる設計になっています。
学生向け詐欺の特徴は、「分割・少額の入口」を徹底していることです。最初は無料や数千円の体験で誘い、次のステップで「本気プラン」、「上位講座」、「専用ツール」などの名目で数万円〜数十万円へ、さらに「個別コンサル」や「コミュニティ費」で積み増しする段階課金が典型です。決済はリボ払い・後払いアプリなど、痛みを先送りできる手段を積極的に推奨します。教材はネット上の一般論の寄せ集め、ツールは安定せず、サポートはテンプレ返信ばかり——にもかかわらず「結果が出ないのは努力不足」と帰責され、撤退のタイミングを奪われます。つまり“学生でも簡単に”というキャッチは、入口の潤滑油に過ぎません。目的は、価値に見合わない有料化を段階的に成立させることにあります。
典型的な手口の流れ(入口から高額請求まで)
流れは驚くほど似通っています。入口はInstagram・YouTube・TikTokの広告、あるいはマッチングアプリやSNS上のDMです。「初期費用ゼロ」、「学生限定」、「先着◯名」といったキャッチコピーと、ブランド品・高級車・海外の映像で“成功の空気”を作り、リンク先のLPでLINE登録を促します。LINEでは「無料説明会」、「限定セミナー」へ誘導し、まず“無料で大丈夫”と安心させたうえで、次のステップで「ツール代」、「講座」、「コミュニティ維持費」を提示します。決済は「リボなら月1万円台」、「ボーナス払いにすれば楽勝」と分割により痛みを薄め、学生ゆえの資金不足が露呈すると「やれば、すぐ回収できる」と背中を押します。ここで一度でも支払うと、心理的に撤退しづらくなる仕組みです。
支払い後は、「上位講座を受けないと再現性が下がる」、「個別コンサルを入れれば急伸する」と不足を指摘し、常に“次の有料要素”を提示。成績が出ない理由は「実践が足りない」、「行動量が低い」と本人に帰責しつつ、成功した会員のスクリーンショットを提示して期待をつなぎ止めます。問い合わせや返金要請には「規約に返金不可とある」、「同意して支払ったはず」と形式面で跳ね返し、時間を引き延ばしてクーリングオフの期間などを逃させます。最終的には連絡が途絶えてしまう場合もあります。
よくある勧誘のフレーズ
フレーズには2種類あります。「安心させる言葉」と「急がせる言葉」です。前者は「学生でもできます」、「作業は1日30分」、「スマホだけで完結」、「初月で回収」、「失敗しようがない設計」など、不安を打ち消す表現で、防御反応を眠らせます。後者は「今だけ」、「先着◯名」、「今日中に決めてくれたら半額」、「この枠を逃すと二度と案内できない」など、希少性と時間制限で熟考の時間を奪います。冷静に考えれば、根拠はない抽象的な話なのに判断力が鈍っていると気がつきません。
実際の相談事例
大学2年・Aさんは「初期費用ゼロ」のLINE広告から登録し、Zoomで“上位プランなら再現性100%”と断定され、リボで30万円を決済。教材はブログ運営の一般論の寄せ集めで、サポートはテンプレ返信のみ。返金要請には「努力不足」と突っぱねられました。ここで有効だったのは、広告動画・LP・Zoomスライド・LINEの時系列スクショを束ね、消費者契約法4条(不実告知・不告知)と9条(不当条項)を根拠に内容証明を送付、同時に割賦販売法30条の4の支払停止をカード会社へ申し出も行い、結果的に全額返金に成功しました。
大学4年・Bさんは「芸能関連の在宅案件」をマッチングアプリで紹介され、「プロフィール作成費」、「撮影費」、「オーディション対策」の名目で合計50万円を請求されました。契約書には「返金不可」、「途中解約は残額全額」といった条項が並び、事務所所在地はバーチャル、連絡はLINEのみ。ここでは特定商取引法の表示不備と誇大広告を突点に、クーリングオフの起算未了、消費者契約法9条による条項無効、民法703条の不当利得返還を組み合わせて交渉。撮影の実態・オーディションの架空性を具体的に立証し、8割返金で和解しました。
返金の可能性と法律的根拠
返金の可否を左右するのは「何で払ったか」より「どんな誤認・不備があったか」です。核になるのは次の法令群です。①消費者契約法4条:事実と違う断定(必ず稼げる/学生でも確実/初月回収)や重要な不利益事実の不告知(上位プラン必須/追加費用多発)があれば取消可能。②同9条:消費者の利益を一方的に害する条項(返金不可/途中解約で残額全額)は無効。③特定商取引法12条:誇大広告の禁止(“再現性100%”“誰でも月100万円”の根拠なき断定表示)、同法の書面・表示不備があればクーリングオフの起算が始まらず、期間経過後でも主張できることがある。④民法96条(詐欺取消)・703条(不当利得):価値不相当や履行不全なら返還を迫れる。などです。
具体的には、相手がよく言う「努力不足だ」に対しては、広告で努力不要・誰でも・短期を断定していた資料を提示して“誤認”を立証。「返金不可と規約に」であれば、消費者契約法9条の無効主張で打ち消し。「クーリングオフ不可」に対しては、特商法の表示・書面不備で起算未了を指摘。というような具合です。学生だから弱いのではありません。むしろ“消費者”という立場は強く保護されます。そこに年齢や属性は関係ありません。
親にバレないか
「親に絶対知られたくない」という相談は珍しくありません。バレるとすれば郵送物よること位でしょう。当事務所から何かを送ることは基本的になく、相手方とのやりとりの窓口は当事務になるので相手から何かくることはないでしょう。
詐欺的な広告・勧誘の見分け方
とにかく「絶対」、「簡単に」、「月100万円」など怪しい胡散臭い広告にアクセスしないことです。世の中そんなおいしい話はありません😭勧誘の時点では、契約をとにかく急かせるようなことがあれば要注意です。借金をさせようとしてくるなどは論外です。
よくある質問(学生編のリアル)
Q. もう支払ってしまいました。返金は無理ですか?——いいえ。広告の断定や不告知、書面不備、履行不全があれば、消費者契約法・特商法・民法で取り消し・無効・不当利得返還を迫れます。
Q. 警察に行けば返金されますか?——返金対応はしてくれません。しかしメリットはあります。詳しくはこちらを副業詐欺を警察に相談する/メリットと相談方法
Q. 自分で内容証明を出せば十分ですか?——出す価値はありますが、正直自力での対応は難しいです。
Q. どのくらいの期間で解決しますか?——1か月位かかるケースが多いです。
まとめ:大切なアルバイト代と学費を守るために
学生を狙う副業詐欺は、華やかな広告と同世代の“成功談”で心を浮かせ、LINEやZoomといった閉じた空間で即断を迫るところから始まります。けれど、入口が派手でも、価値の乏しい有料化と“次の課金”の連鎖という正体は変わりません。もし既に支払ってしまっても、まだ遅くはありません。消費者契約法・特商法・民法・割賦販売法という強力な道具を武器に、返金の道は必ず開きます。恥や後ろめたさは自然な反応ですが、あなたのせいではありません。詐欺師にあなたが巻き込まれただけです。
怪しい、詐欺かもしれないと思われた時点で遠慮なくご連絡ください。今回はこんなところでほなっ!今後も戯けた講話を続けたいと思います😕

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